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「輪島も島も全滅やな…」舳倉島の島民が地震後初めて帰島 津波の爪痕が4カ月たった今もそのままに

能登半島地震の発生から1日で4カ月ですが、地震による被害の程度が未だ明らかになっていない場所があります。それが、輪島市のおよそ50キロメートル北の日本海に浮かぶ舳倉島です。今回、先週土曜日に行われた舳倉島の島民の集団一時帰島に同行しました。そこに広がっていたのは、想像以上の津波の爪痕でした。

先月27日、早朝の輪島港。続々と集まってきたのは、舳倉島の島民です。

島民は:
「島民が皆で渡るというのは今回が初めてやもんで、結構テンション高くなっているんじゃないですかね。どうしても皆さん家が見たいんでね。どうなっとるか、心配で…」
Q 一番心配なことは?
「家。あんまりよくないそうやし…」
Q 津波が来たって
「津波でやられたそうやし…」

ヘリリポート:
「黄砂にけむる日本海、前方に見えてきました舳倉島です。舳倉島の港、漁港の様子をご覧いただいています。この港の周り、いくつもの船が湾の中で身動きが取れない状況になっています」

先月18日、上空から舳倉島をリポートしました。そこに広がっていたのは津波の痛々しい傷跡でした。

ヘリリポート:
「これも津波によって運ばれたものと思われます相当のがれき、そして木材などがこの家の周りに散乱しています」

海底の隆起によって船が出せず、これまで帰りたくても帰れなかった、島。島民のはやる気持ちを乗せ、午前6時、船が出航。50キロ北の舳倉島を目指します。

そして…

リポート:
「船が舳倉島に到着しました。地震から4カ月、ようやく戻れた、島です。」

島民:
「はー、5カ月ぶり…」

それぞれの自宅を目指す島民。

しかし…

リポート:
「ひどいですね…津波によって打ち上げられた大量のがれき、木材などが道路をふさいでしまっています。」

港の周辺は、元日に島を襲った津波の爪痕がそのままの状態で残っていました。漁師の東野竹夫(ひがしのたけお)さんです。

Q 生で見たら違いますか?

東野さん:
「全然、テレビで見るのと大違いやね。まだ自分の実家のほうがひどいと聞いとるもんで、行ってみないと分からん…うわ、なんじゃこれ。ひでえな…ひどいな…」

歩いてみて改めて分かる、島の惨状。

そして…

Q(自宅は)ここですか?
「はい。ああ、くそ!情けねえな…(涙)」

家は倒壊を免れたものの、津波があらゆる家財を押し流していました。

輪島市鳳至町にある家も被災した東野さん。この家が無事であることをこの4カ月、祈っていました。

東野さん:
「輪島も島も、全滅やなこれ…言葉にならんですね。大変ですよ、どうしようこれ…最後、ここが希望やったんですよね。ここさえ生きていれば島に移住できるかなと思ったけどここの家がこんなんじゃ、もう…電気も来てないし、水道もまだやしまだまだ当分、こっちに来れんですね…はあ…どうしようこれ…」

リポート:
「港から西に歩いてきたんですが、特にこの地域は津波の被害が深刻です。陸の奥にまで大量のがれき、そして割れた瓦などが打ち寄せられています。」

海岸沿いで、漁具を拾う海女さん達に出会いました。

Q 何をしていましたか?
海女さん:
「これはサザエとかアワビとかを採る時に、これにつながって…」

Q 採れたものを中に入れる?
「そうそうそう、商売道具。救出…」

こちらの男性は…

「(港の修復は)今年いっぱいになるか来年になるか分からんけど」
Q それでも漁をやりたい?
「小さい時からここで育って、魚捕りばっかりやったし、それはいくつになってもやりたいよ。みんなそういう思いで来とると思うよ…」

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