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漁師が喜びかみしめる…能登半島地震後初のズワイガニ水揚げ 片付けのボランティアに振る舞った依頼主も

石川の冬を代表する味覚、ズワイガニがこの週末店頭や食卓に並びました。輪島の漁師にとっては復興への第一歩となった今年のズワイガニ漁。特別な思いは漁師だけでなく売る人や味わう人も同じだったようです。

輪島の漁師:
いやぁ、腰が痛い。何カ月も休んでいたし、腰が痛いわ。うれしい悲鳴やね、漁師はやっぱり沖に出ないと。

能登半島地震から10ヵ月あまり。先週金曜日ズワイガニの水揚げが始まり、輪島港がようやく漁港として復活しました。

関係者:
1月のときのことを思えば無事に出られて良かったと思います

漁師たちが漁に出られる喜びをかみしめながら水揚げした冬の味覚。翌日には珠洲市の蛸島漁港でも1日遅れでカニが水揚げされました。輝クラスのカニの姿も…

漁師:
嬉しいことだと思いますまだ輝は出てないでしょうなってくれればいいなと思って願っています。

中には1.5キロを超えるものも…。加能ガニの最高峰「輝」に認定されるか期待が高まります。競りが行われる金沢の市場へと運ばれましたが、認定されず…。

関係者:
色が悪いちょっと焦げっていうか…。柔らかい。

残念ながら、爪の太さが均等ではなかったことなどから「輝」第1号への認定はお預けとなりました。

市場のスタッフ:
カニ解禁!カニ解禁!

記者:
初物のカニがずらっと並んだ金沢市の近江町市場です。待ちに待ったカニを求める人で市場の中は大にぎわいです。

店には輪島港で水揚げされたことを示すタグのついたカニが…

カニを買った人:
ようやく!うれしいよ。

実はこの女性、本来初物が並ぶはずだった今月7日にも近江町市場に足を運んでいて「まだ解禁じゃないんだって。土曜日解禁になるって言っていたからもう少し待つ!」と語っていました。やっと手に入れた初物に喜びもひとしおです。

カニを買った女性:
やっぱりね、初物を食べないと。蒸して、ゆでて、大きいお鍋で毎年食べる…うふふふ

店も輪島港で水揚げされたカニの重みを感じていました。

大口水産の荒木専務:
漁港の名前が書いてあるので『輪島』って見るとぐっときますよね。地元の人も待ちに待ったカニなので勢いよくやっていかないといけないししっかりと小売りが売っていかないといけないなという気持ちがさらに増した。

喜びの声は輪島市でも…

買い物客:
よかったわ。きょう、カニがあって。いつも毎年送っているので

輪島市のショッピングセンターにある「出張輪島朝市」。ここにも初物が並びました。この時期はカニフェアが開かれ、多くの人で賑わっていた輪島朝市。いつもと形は違うものの、今年もカニを並べることができました。

店の人は:
やっぱり違うね、全然ね。カニが並ぶと思っていなかったね、よかったわ

輪島市内の食卓に並んだ初物のカニ。鍋を囲んでいるのは輪島市内で家の片づけを手伝う災害ボランティアたちです。依頼主が感謝の気持ちを込め、輪島港で揚がったカニを振る舞いました。

家の主人:
解禁日になったので食べてほしいなって思って。漁に出られなかったから、ずっと

ボランティア:
最高ですね、感無量です。優しいですね、みなさん。美味しいです

能登の漁業の再起に向けた第一歩となる今年のズワイガニ漁。コウバコガニは来月29日まで、加能ガニの漁は来年3月20日まで続きます。

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