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能登半島地震の津波で流される…能登町の太鼓が新潟県柏崎市の海岸に SNSがきっかけで約3カ月後故郷へ
地震で甚大な津波の被害を受けた能登町白丸地区。
こちらの太鼓は津波で流されましたがおよそ3カ月たってふるさとに戻ってきました。
3月22日から新潟県柏崎市で開かれている写真展。
能登半島地震の復興支援のため能登町の美しい風景や被災した現状を切り取った写真を展示しています。
この会場に置かれていたのが…太鼓です。
実はこの太鼓…
栃堀さん:
「マジックで地名が書いてあったのがすぐわかったのでその場ですぐに地名を検索してやはり能登のほうから流れてきたものに間違いないとわかったので」
栃堀耕一(とちぼり こういち)さんは1月19日、柏崎の海岸でこの太鼓を発見しました。
太鼓に書かれていた「白丸区」というのは能登町の地名のこと。
白丸地区は地震後津波に襲われ多くの住宅が被害に遭いました。
白丸地区の祭りで使われる太鼓も津波にさらわれたのです。
そして太鼓はおよそ120キロ離れた新潟県の海岸に流れ着きました。
地震から3カ月近く経った3月22日。
栃堀さん:
「能登からお越しいただいた…きょうはご苦労様でございました。きのうお電話いただいてきょう太鼓を取りにいらっしゃるということで、私は太鼓を拾った柏崎の栃堀と申します」
栃堀さんのSNSへの投稿がきっかけで白丸地区の住民が太鼓を引き取りにやってきました。
岩前さん:
「この人(太鼓)は…早く帰りたいということなんでしょう。そう思いながら来ました」
栃堀さん:
「こっち側は穴も開いていない、大きな岩にも当たらず…」
ふるさとから遠く離れた地で太鼓と再会を果たし、目に涙がにじみます。
岩前さん:
「太鼓見て涙が出てくるなって思いながらしみじみと…」
太鼓とともに、白丸へ帰ります。
岩前さん:
「この子本当こういうところに流れ着いて運のよい子だと思います。いい人に拾っていただいて」
栃堀さん:
「語り継いでください」
およそ7時間後。
能登町白丸に太鼓が戻ってきました。
早速、町の神社に運び入れます。
「ただいま~」「おかえり~」
岩前さん:
「お帰りやね(太鼓をたたく)直すすべも分かりますけど、やはりこのままの状態で何か…この姿で柏崎行ってきましたよって、無事に帰ってきましたよって」
住民はこの太鼓を修理せずそのまま保管することを決めました。
震災の記憶を後世に伝えてほしいという思いからです。
栃堀さんと電話でやり取り:
「7時半ごろ、ここにつきまして。どうもありがとうございました」
『私もボランティアで伺うことがあると思うので』
「その時はまた、どうぞお待ちしております」