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石川県七尾市能登島で子どもたちの笑顔を守ろうと奔走する佐藤広崇さん「能登人を訪ねて」

稲垣キャスターが能登で暮らす人たちに復興への思いを聞く、能登人を訪ねて。七尾市能登島で子どもたちの笑顔を守ろうと奔走する若者を訪ねた。

稲垣アナウンサー:
ここで待っててほしいという人がいるんですが、あ、この車だ!

佐藤広崇さん:
こんにちは、よろしくお願いします。移動式遊び場の佐藤です

佐藤広崇さんは東京出身、千葉大学大学院の学生。子どもの居場所を提供する団体
「移動式遊び場ネットワーク」に所属し、現在は能登で活動しています。

稲垣アナウンサー:
この車がいわゆる遊び場なんですか?

佐藤広崇さん:
そうです。この車の中にいろんな遊具が乗せてあって、行った先でその遊具を展開して遊び場を作るという活動になります。

稲垣アナウンサー:
面白そうですね。「あそびお届け中」って書いてありますね。いま色々とセッティングしていましたけど、これは何ですか?

佐藤広崇さん:
これは滑り台です。

稲垣アナウンサー:
「おー、シンプルな滑り台ですね。佐藤さんは千葉大学の大学院生ということなんですよね?どうして今能登に来て活動しているんですか?

佐藤広崇さん:
3.11の東日本大震災でおばあちゃんの家が被災して流されてしまいました。僕は小学校6年生だったんですが、その時には何もできなくて、被災してしまった人たちに何かしたいという思いはずっとありました。遊び場というのは常にあり続けなければいけない。短期間で一発でイベントとしてやるんじゃなくて、長期的に見て遊びというのは支援するべきだというのを東京での遊び場でずっと学んでいたので、能登半島地震のきっかけに、こっちでも長期で遊び場を作っていかなければというのは
強く感じていました。

稲垣アナウンサー:
ということは、今どこに住んでいるんですか?

佐藤広崇さん:
すぐそこの能登島の高台に住んでいます。

稲垣アナウンサー:
いつからですか?

佐藤広崇さん:
3月からずっとここに住んで、暮らしながらずっと遊び場を提供し続けています。

今回の遊び場の会場まで車で案内していだくことに…

佐藤広崇さん:
本当に能登島はすごい素敵な場所ですよ。東京に比べて空が広くて心が晴れるんですよ

稲垣アナウンサー:
何度も顔を合わせるお子さんっていると思うんですけど、表情の変化とか感じたりしますか?

佐藤広崇さん:
そうですね。笑っている時間が増えたかもしれないですね。心をちょっとずつ開いてくれたというのをすごく感じていますね…。

今日の遊び場は、のとじま幼保園です。遊び道具を積んだこの車。仲間とともに能登の子どもたちと絵を描いたり、色を塗ったりした力作です。仲間の今井さんとともに子どもを迎える準備を始めます。「サトウ ヒロタカ」の名前をもじってついたあだ名は「ヒーロー」。子どもたち、ヒーローの登場に気付いたようです。

子どもたち:
ヒーロー!ヒーロー!お願いします!

佐藤広崇さん:
こちらこそよろしくお願いします!登れる?登れる?いける?頑張れ!挑戦だ!

遊具の中でも人気の坂登り。こちらの男の子は、前回の遊び場でチャレンジした
ところ一度も登れませんでした。今回はリベンジです。

佐藤広崇さん:
いける!そうそう。いけるよ!いける!いける!すごい!

稲垣アナウンサー:
この遊び場ってどうですか?

子どもたち:
楽しい!

稲垣アナウンサー:
ヒーロー、どんな人?

子どもたち:
かっこいい!

稲垣アナウンサー:
地震から半年経ったところですが、遊ぶ場所になるとなかなか難しいって言うのが現実です。そういう中で、こういった遊び場があることについてどう思っていらっしゃいますか?

のとじま幼保園 園長:
遊ぶ場所も園庭もちょっとひび割れたりとかして、外に全然出られなかったんです。春になってようやく出ることができて、その中で来ていただいて、こんな遊び場ができて、本当に嬉しいですね。

子どもたちは、先生やヒーローたちと思いっきり遊びました。まるで友達同士のようです。

佐藤広崇さん:
同じ目線で話すことですね。友達かのように話すことがポイントですかね。

稲垣アナウンサー:
一緒に楽しんでる感が伝わるから…

佐藤広崇さん:
僕、実は中学時代、いじめられてたんですよ。その時に中学校の教室には居場所を感じられなくて、放課後の部活動、野球部に入ってたんですけど、そこに僕の居場所っていうのはあったんですよ。移動式遊び場っていうのは自分が輝ける、他の人よりできるものだったりとか、個性を出せるものがいっぱいあるので、そこで自分の輝ける何かを見つけてもらって、日常の自己肯定感だったりとかを
見つけてもらえればという思いでやっています。

佐藤さんは来年、社会人となるため島を離れます。心配なのは、この活動の今後について。

佐藤広崇さん:
その後定期的に続けていくっていうのは、まだ課題としてあって、続けていくために模索していく予定です。

稲垣アナウンサー:
これから就職して島を離れたとしても、もちろん能登にはずっと心を寄せ続けてくれるんですよね?

佐藤広崇さん:
そうです。就職して東京帰っても、またずっと能登を忘れずに帰ってきたいと思ってます。

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