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「正月こそ前を向いて頑張っている姿を見せたい」”能登復興おせち”に料理人たちが込めた思い
正月の食卓に欠かせないものと言えばおせち。今、能登では料理人たちが協力しておせちを作るプロジェクトが行われています。そのおせちに込めた思いとは…
レストランブロッサム 黒川さん:「やっぱり最近はハンバーグが人気ですね」「これは能登牛ですね、能登牧場さんの能登牛になります」「さしがきめ細かいっていうのがいいお肉だと思います」
七尾市和倉温泉にあるレストラン ブロッサム。シェフの黒川恭平さんが仕込みをしているのは、お店の人気メニューのハンバーグです。実はこのハンバーグ…
黒川さん:「冷めても美味しいような仕立てに今回はアレンジして、“おせち”に入れたいと思っています」
黒川さんは能登の料理人たちとともに地元の食材にこだわったおせちの販売を企画しています。きっかけとなったのは仙台から能登に炊き出しに来ていたある料理人の提案です。
提案した料理人 三木俊輝さん:「1月に能登に行ったときに『おせちが食べられなかった』とか『食べている途中だった』という声があった」「めでたい日と悲しい日が重なってしまうなというところで、僕らが料理人としてプラスになる、前に進めるようなプロジェクトができないのかなというところから進んでいった」
こうして始まった「能登復興おせち」プロジェクト。おせちを作った経験のある三木さんに協力を得ながら、能登の有名シェフたちが和洋の2段重を作ります。
黒川さん:「僕らの仕事は生産者の方がいないと成り立たない仕事なので生産者の思いを食を通じて伝えられたらいいなと思います」
この日、黒川さんが訪れたのは七尾市の山口水産。おせちのコンフィに使う能登かきの味を確かめました。
黒川さん:「今年の身入りはどうですか?」「最近良くなってきています」
山口水産では地震でカキの稚貝の一部が流されてしまったものの、1月からカキの出荷を再開しました。しかし、数人の従業員が住む場所を失ったことや精神的な負担を理由に仕事を辞めてしまったといいます。
山口水産取締役 山口翔太さん:「能登かきという産業を能登に残すことが能登に人が住む、働きに住む理由になると思うのでなんとしてでも続けていきたい」「こういう形で能登かきを発信していただくっていうことは復旧・復興に近づくことかなと思っています」
能登復興おせちのホームページには山口水産のほかにも、生産者たちの復興への思いが掲載されています。
黒川さん:「能登の方々は1月1日を迎えるたびにつらい思いが思い出されるので、そうではなくて内側から、能登の人が前を向いて頑張っているっていう姿を今回のおせちでみてほしいなと思っています」
地震後、初めて迎える正月だからこそ伝えたい。このおせちには復興を目指し、歩みを進める人たちの思いがつまっています。