小松市立金野小学校 (3月21日放送)
小松市の山間部にある金野小学校は全校児童57人。 校庭には水車が回るのどかな音が響く小学校です。
かつて、このあたり一帯は日本一の銅の生産量を誇る尾小屋鉱山が広がり、金野小学校の校下も鉱山で働く人たちの住宅ができ、通りには様々な商店が軒を連ね、映画の上映や芝居の公演も行われた鉱山会館もあり、町は活気に溢れていました。
鉱山と小松市の市街地を結ぶ16.8キロの鉄道(尾小屋鉄道は大正8年から昭和52年まで営業)も走っていました。
昭和46年に鉱山が閉山するまで、金野小学校は大勢の子ども達が学んでいました。 金野小の校歌が制定された昭和32年の児童数は367人。現在の6倍以上です。 校歌の歌詞には鉱山の守り神が祀られていた町の小さな山、山神山(さんじんさん)が歌われています。
鉱山の栄光の時代は遠い昔になりましたが、未来へとはばたく金野小の子ども達が校歌を歌い継いでいます。
夏休み8月2日、鉱山閉山の昭和40年代に金野小学校に通っていた卒業生と当時の先生山根靖則さんが金野小に集まりました。 40年ぶりに顔を合わせる人たちもいます。
山根先生が、今も大切に持っていた当時の文集には、突然に鉱山閉山を知らされた子どもたちの驚き、不安、悲しみの文字が並びます。
山根先生は金野小の歴史である鉱山の消えゆく姿を記録に残そうと自ら8ミリカメラを回し、映像に収めました。 その中に転校していかなければならなくなった子どもの作文も紹介されています。
懐しい校歌を歌うみんなの表情は、小学校時代からの永い時間を超えて、40年前の先生と子どもたちに。