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「逆転バカ」というタイトルは秀逸だったと思う。番組を観始めた頃は、あたかも美大生をそうであるかのように見ていた自分が、最後には自分がそうではないのか、と問われているような気がした。真面目に大学生活を過ごし順調に就職することを目指して大学に入学してくる人たちが、この番組をどのように観るのか大変興味がある。 |
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番組視聴後に物足りなさを感じた。もっと心の動きを追うことで人間性を深掘りしても良かった。例えば、秋山さんはなぜ有名になることにこだわるのか、そう思うようになった背景や、有名になることにどんな意味があるのかなど、その言葉の裏にある思いをもっと引き出せば良かった。同級生や先生など周囲の人たちによる彼らの生き方や取り組みに対する声があると、2人の人間性を理解しやすかったと思う。 |
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過去の出来事を編集して制作する作り方ではなく、未知の行動を起こす3人を素材に、その行動を丁寧に追いかけることによって、新たな番組に仕上げられているので、ドキュメンタリー番組の中でも一段と制作にかける熱意が必要だったと推察される。テレビ制作者も美大生のようにクリエイターとしての意気込みが必要だと再認識した。 |
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インスタグラムで秋山さんを検索したところ、歴史のある「国展」などの入賞を重ねていることがわかり、番組から受ける印象とはかなり違った。取材対象のあらゆる側面を網羅した上で特徴を強調するべきだったと思う。ドキュメンタリー要素が強い番組であるからこそ、視聴者に偏った視点を促すことがないように事実を見極める慎重さや必要性を強く感じた。 |
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ナレーションにおいても淡々と余計な言葉をそぎ落として、個性の違う2人の言葉や姿をスケッチのように並べていく手法自体は好きだが、番組企画書には「常識とは何か、正解とは何かを問いかける」とあり、もう少しそのコンセプトに寄せる工夫があれば視聴者に対して親切だったのではないか。 |