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十分水あげられず1頭死亡…地震でダメージ受けたブランド牛の牧場危機 道路寸断され約1週間でエサも底に

能登半島地震では、石川県のブランド牛「能登牛」を飼育する牧場も、大きなダメージを受けています。

能登牧場の平林将専務:
「これは直るのかどうなのか、倒壊も不安ですけど直るのかという心配があって」

能登町で石川県産のブランド牛「能登牛(のとうし)」を生産する、能登牧場の平林将さんは地震で甚大な被害を受けましたが、今も牧場の一角にある小屋で寝泊まりをして、およそ1000頭いる牛の世話にあたっています。

4年前に完成したという牛舎は、地震の影響でシャッターが剥がれ落ち、道路から牛舎の中まで亀裂が入っていて、亀裂は反対側まで続いているといいます。

牛舎の壁は傾き、地面には隙間ができています。

4日に平林さんが撮影した動画では、牛が唸るように鳴き声をあげていました。

能登牧場の平林将専務:
「(いつもは)聞かない鳴き声でしたね。何かおびえているような、パニックを起こしているような」

地震で停電が発生し給水機が動かなくなったため、牛に飲み水があげられなくなりました。

能登牧場の平林将専務:
「水を牛にろくに飲ませられない状況が続いていたんですね。雨水を溜めたりだとか、その時ちょうど暖かかったので雪を溶かした水を溜めてウォーターサーバーのボトルに移し替えて、牛たちに飲ませられるように水を配った。1日30リットル以上の水を必要とするんですけれど、正直よくて1日1頭あたり4~6リットルくらいの水しか飲まられなかった」

水を十分あげられず、1頭が死んだといいます。いま、停電は解消していますが問題は山積みです。

牧場に繋がる道は3本ありますがそのうち2本は通行止めとなっていて、残る1本も土砂崩れが発生し、エサを運んだり出荷するためのトラックが通行できない状況となっています。

このため深刻なエサ不足となり、あと1週間ほどで底をつくといいます。

能登牧場の平林将専務:
「石川県は畜産農家が奥能登地域に集中しているので、みんな同じ状況でエサを運べない、道が寸断されている状況になっている。みなさんの努力のおかげで回復はしてきているんですけど、牧場までの山道であったりにも目を向けて、すぐに取り掛かってもらえたらと考えています」

石川県が誇るブランド牛にも危機が迫っています。

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