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専門家「後発地震と捉えていい」3日朝に能登地方を襲った最大震度5強の地震 住宅など5棟が新たに倒壊

緊急地震速報で驚いた人も多かったのではないでしょうか?6月1日朝、輪島市と珠洲市で最大震度5強の地震があり津幡町で女性1人が大けがをしたほか輪島市で住宅など5棟が新たに倒壊しました。

地震で大きく揺れる棚や天井に吊るされた電気。こちらは珠洲市内のスーパーに設置された防犯カメラの映像です。

6月3日午前6時31分、能登地方を襲った地震。輪島市と珠洲市で震度5強、能登町で震度5弱を観測しました。

珠洲市民は:
「けっこう長かったですね揺れている時間。久々にあれだけ揺れると本当びっくりしますね」
珠洲市の仮設住宅にいた人は…:
「こちらのほうは散らかったままですけど棚から物が落ちてしまった。はやくおさまってほしいね、それだけです」

この地震で、津幡町で緊急地震速報に驚いてベッドから転落した60代の女性が右足の骨を折る大けがをしました。県内で震度5強以上を観測したのは今年1月6日以来です。

リポート:
「輪島市小伊勢町のこちらの住宅は今朝の地震で倒壊し道路の片側の車線をふさいでしまっています。」

住民は:
「ドーンっていう音がしてふわって埃があがった。逃げたよ。ちょっとした揺れで倒れそうなところは、たくさんありますから怖いですね」

輪島市では、元日の地震で傾いていた住宅など少なくとも5棟が倒壊しました。この内、輪島市二ツ屋町(ふたつやまち)の中谷博之(なかたにひろゆき)さんは、隣接する納屋で生活していたため無事でした。

中谷さん:
「公費解体の申請も終わっていつ壊すんかなって話していた結局こんな形になってしまって…」

この建物は元日の地震で既に全壊判定を受け公費解体を待っているところでした。

中谷さん:
「くの字に曲がったのがストンと落ちて。まず片付けないとダメ道路ふさいでいるからまずそこから。これはどうしようもなんない人とか車とか通っていなくてよかった、本当にそれだけ」

一方、震度5弱の能登町でも…

リポート:
「能登町の内浦総合支所に来ています。けさの地震でこちらの通路の天井が落ちてしまい骨組みがむき出しとなってしまいました」

鵜垣厚夫内浦総合支所長:
「毎日来られる方がいますので、その方に被害が及ばないように
安心安全な施設であるためには、とりあえずきょうあすは通路の出入り禁止という形をとらざるをえない」

住宅が新たに倒壊した輪島市の現場では…

秋末アナウンサー:
「輪島市杉平町(すぎひらまち)です。私の後ろにある住宅は右側に大きく傾いていますが、これは今朝の地震によるものです。元日の地震で一階部分が傾き、罹災証明で全壊と判定され公費解体を待つ中での今回の地震でした。今日は、業者が雨に備えてブルーシートを張る作業を行なっていました。住民の方は、金沢に二次避難をし、輪島との2拠点生活を送っていて無事でしたが大事なものがこの家の中にあり、取り出せなくなってしまったと嘆いていました。」

住民は:
「もともとは1階が潰れていなくて、傾いている状態そこまでひどくないと思ってたんで、つっかえ棒とか養生もしてなかったんですよね」
Q 帰ってきたときは?
「家の片付け、会社の片付けだったり色々作業していた」
Q その瞬間だったら?
「怖い」

今回、住民の方は無事でしたが、こうして全壊や半壊の住宅がそのままになっていることで、さらなる被害を引き起こす可能性があることを感じさせられました。元日からすでに5カ月、輪島市で公費解体が完了したのはまだ1件だけです。公費解体、仮設住宅の建設をもっと加速させる必要があると思います。

それでは今回の地震について、地震学が専門の金沢大学、平松教授に聞きました。

平松教授:
「(今日の地震は)1月1日のM7.6の地震の影響を受けて起こった「後発地震」と捉えていいと思います。また震源の分布からみますと、M7.6の地震の時に動いた断層上で発生した地震の可能性が高いのではと考えています」

平松教授はこのように述べ、今後について次のように注意を促します。

平松教授:
「これから雨の時期を迎えまして土壌中の水分が増えますと、土砂崩れが起こりやすくなる。そういう状況でまた強い揺れがあると、これまで以上に「土砂災害の危険性」が高くなるということがあります。
1月1日の地震のM7.6という規模を考えますと、やはりM5、あるいは今回のM6近い地震は起こる可能性が十分あると思います。また周辺の断層に与える影響は県内、北陸の断層帯にもありますので、そういうところでまた新たな大きな地震が起こるということもあり得ます。なので、能登以外の方々にとっても地震に対する備えは必要になります」

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