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炊き出しから“なりわい”へ…地震をきっかけに絆深めた料理人たち 輪島市に居酒屋開店「少しでも笑顔に」

7月1日、輪島市で新たな飲食店がプレオープンを迎えました。「炊き出し」から「なりわい」へ…地震をきっかけに絆を深めた料理人たちの新たな一歩です。

7月1日、輪島市ににぎやかな声が戻ってきました。

お客さん:「おめでとうございます!」池端さん:「ありがとうございます!」

カウンターに立つのはフレンチシェフの池端隼也さんです。

池端さん:「あっという間だったけど、思い出すとすごく長いというか。先のこと考えずに目の前のことをやるので精一杯だったので。」

地震の前は朝市通りの近くで店を開いていた池端さん。元日の地震で店は全壊しましたが翌日からすぐに同じく被災した料理人仲間と炊き出しを始めました。

「温かいものを食べて少しでも元気になってもらいたい。」その一心で、避難所や復旧作業にあたる業者に食事を届けてきました。

そして地震から半年が経った7月1日。

池端さんは無料の炊き出しからなりわいへ、次のステップに進むため、炊き出し仲間と共に居酒屋を始めることにしました。

能登の食材にこだわり、能登町宇出津で獲れたハモや自分たちで釣った輪島の魚などが並びます。

半年ぶりの接客。自慢の料理で客をもてなします。

お客さん:「10年以上の付き合いなので、きょう新しい出発ってことで純粋に美味しい物が食べたい、お祝いしたいって気持ちで来た。能登の魚、料理に能登のお酒はめちゃくちゃ合う。」

お客さんの中には池端さんの両親も…

父・池端速雄さん:「(息子が作った料理は地震後)多分初めて。おいしいです」Q楽しそうに仕事する姿を見て?「嬉しいですよ。」

母・池端都さん「もう今が最高かな、これ以上望まないです。」

輪島の地で再スタートを切った池端さんたち。その思いは店の名前「mebuki」にも込められています。

池端さん:「朝市があの状態になって歩いていたときに、燃えた木があって、ちょっと緑が見えているところがあって、それを見たときにすごい芽吹いてるでしょって言われて、その言葉がすごく頭にあって。どう生きていくかという決断を迫られる時が皆さん来ていて、つらい思いをする方っていると思うので、ちょっとでも笑顔になってもらうのがいいかな。」

芽吹いた葉が育っていくように、池端さんたちは店を通して輪島が笑顔を広がることを願っています。

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