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凍結までの28年間、タイトルにあるように珠洲の人たちは翻弄されっぱなしだったことがよく分かる。バブルのピーク直前の世相も思い出されて複雑な気持ちになる。町おこしというキャッチフレーズでスタートしたものの、賛成、反対の両極端に分かれた地元も大変だった。結局のところ責任問題はうやむやに終わってしまうのだろう。唯一救いになるのはもう一度自然に帰り、農業で再出発する若い世代が少数でもいたという事だろうか?
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タイトルが良い。反対派だった人物に金を貰ってしまった後の感慨を率直に聞き出していた事も出色。地元民の生々しい証言に比べ、関西電力側の何とも白々しい受け答えに、国策の名の元に繰り広げられた裏社会を見る思いがした。また、これが真のナレーションだと感じられる程自然な語り口に感心した。全体を通して良い出来だと思った。
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28年間という長い歴史と複雑な事情をもった原発問題を正味50分の番組によくぞ纏めたものだ。この原発に携わった当事者たちに見せても皆納得するだろう。欲を言えば、地主A氏、清水建設、関西電力の間の金の流れや過疎化に苦しむ珠洲市を始めとする能登半島の構造的問題にもっと斬り込んでもらいたかった。
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戦い敗れて山河あり‥で幾多の後遺症を残したまま電力会社が立ち去ってしまったという構図は分かるが、若干不満が残った。賛成、反対の後先で全体のイメージが違ってくるぎりぎりのシーンがなかったことと、個人の葛藤について生かされた映像がなかったことだ。全体的に土地の事前取得にウエイトが掛かり過ぎだと思った。取材の苦労を表現したかったことは分かるけれども‥。28年間の本流ではない筈。今後に期待をもたす農作物についても果たして成功の目処が立つほどのものなのか?不透明な感じだ。
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日本海の陽光を照り返し変化する美しい自然と風土を壊しに来た奴は誰なんだ?を念頭に多少身構えて見た(笑)。凍結後の半年間にどんな変化と処理が試されたのか?土地売買に一役も二役も買った脱税医師の嘆きに他人任せの一面を見て、自己責任はこんなところにもあったのかという思いを強くした。いずれにしても大きなテーマに真正面から立ち向かったスタッフの熱意と労力を買う。ちょっとこの壁は高かったと思うような出来映えだったが、今後の地元が抱える普遍的な問題を提起する意味では貴重な番組だと推奨したい。 |