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再興に向けた希望の光に…漆芸美術館の“輪島塗の大型地球儀” 大阪・関西万博で展示へ「大きな遺産に」

輪島塗の地球儀が、今年4月に始まる大阪・関西万博で展示されることが正式に決まりました。
1月19日、大阪・関西万博の会場を視察した石破総理大臣。
視察後、輪島塗の職人たちが作った地球儀を会場に展示する方針を明らかにしました。

石破首相:
「能登の輪島塗、地球儀もきょうはみることはなかったけどもここに来ないと見られないなというものがある。世界中の方々にそういう実感を味わっていただく。」

その作品は…。

稲垣アナ:
「こちらが輪島塗の大型地球儀、夜の地球。輪島塗でしか表現することができない漆黒の美が表現されています」

「夜の地球Earth at Night」直径約1.5メートル、重さ約215キロの輪島塗の地球儀です。宇宙から俯瞰でみた地球の夜景を輪島塗が誇る、沈金や蒔絵の技術を施し、細部まで表現しています。

稲垣アナ:
制作に携わった輪島漆芸技術研修所の小森邦博(こもりくにひろ)所長。
当初、万博会場への運搬や展示方法を心配していましたが万全な体制での展示を条件に受け入れました。

輪島漆芸技術研修所小森邦博所長:
「いいチャンスだと思っている。反対はしたけれど反対しながらこれもし万博に持っていけたら輪島塗の大きな遺産になるなと思った。」

制作は木地を作るところから加飾まで輪島塗技術保存会の職人37人が集まり一つの作品を作り上げる挑戦でした。制作は5年がかりで行われ、2022年から輪島漆芸美術館に展示されていました。しかし…
能登半島地震で、美術館は展示のガラスケースが割れるなど大きな被害にあいました。そんな状況の中、地球儀は、数センチ動いたものの作品に被害はなかったのです。

輪島漆芸技術研修所小森邦博所長:
「(震災後、美術館で)一番最初にみたのが地球儀。作った立場としては『よっしゃ、やったぜ』という。輪島塗の職人の技術の高さは当然だけど世界の中で毎日紛争があったり平和で暮らしているところがある。世界の繁栄、歴史を汲み取ってくれれば。」

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