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『命についてとても考える一年だった』書家の室谷一柊・朱琴・文音三人展が金沢で開催

能登半島地震で被災した書家の親子3人が地震後の1年3カ月余りでしたためた書などを集めた合同展が金沢市で始まりました。「生きること」「命」について考えます。

「さくらさく さくらちる さくらさくら すべて いとおしい」
「昨日 今 明日」
「ありがとう 生きててくれて」

石川県金沢市のしいのき迎賓館で15日から始まった「父・母・娘 三人展」。

能登町の抒情書家・室谷一柊(むろや いっしゅう)さん、朱琴(しゅきん)さん夫妻と娘の文音(あやね)さんの3人が10年ぶりに家族3人で開く合同展です。

室谷文音さん:
「去年、2次避難先の山中温泉で(父が)お風呂で倒れたという事もあり、(合同展は)いつでもできると思っていたんですけど、今しかないなって…命ってはかないものだと知ったので。」

元日の能登半島地震で、一柊さん、朱琴さん夫妻が暮らした能登町の自宅兼アトリエは大規模半壊。

2人は同じく能登町にある娘・文音さんの家や加賀市での2次避難などを経て、現在は金沢市のみなし仮設住宅で暮らしています。

今回の作品展では、被災を免れた一柊さんの作品や地震後新たにしたためた書などが展示されています。

Q 奥にある文字『原点回帰』という…
朱琴さん:
「能登の震災に遭っても 生き残って…生き残った作品も見て頂きたいなと思っているので そういう意味でも原点回帰と。」

心に浮かぶ思いや言葉をつるべでくみ上げるように書にしたためるのが抒情書。地震と豪雨の経験を踏まえた文音さんの作品は…

文音さん:
「命についてとても考える一年だったので、命についてだったり生きることについて書いた作品が多いです。見に来て頂いた方も、入ってきた時より出ていく時の方が笑顔になって、心が軽くなって帰って頂けたらうれしいなと思いますね。」

この作品展は今月20日まで行われています。

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