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「翼音は1人1人の胸の中で生きていく」豪雨で犠牲になった喜三翼音さんに最後の別れ

9月に奥能登を襲った豪雨で川に流され、犠牲となった中学3年生、喜三翼音(きそ・はのん)さんの告別式が10月12日に輪島市で営まれ、遺族や友人たちが突然の別れを惜しんだ。

石川県輪島市の中学3年生喜三翼音さんは、9月の豪雨で川に流され、10日後に約170キロ離れた福井県の沖合で見つかった。

輪島市の寺で12日に営まれた告別式では生前、家族と過ごした翼音さんの映像が流されたほか制服やぬいぐるみなど思い出の品が飾られ、遺族や友人たちが最後の別れを惜しんだ。

喪主の父、鷹也さんは参列者に向けてこう挨拶した。

「翼音を捜索していただいたたくさんの人たちに感謝申し上げます。翼音は自宅から170キロも離れた福井県沖で地元の漁師さんが見つけてくれて、海上保安庁が来るまで1時間10分、日没1分前で流されないか見守ってくれていたそうです。感謝しかありません。漁師さんが『娘さんは頑張りました。ほめてあげてください』と言ってくれた言葉に涙が止まりませんでした。私たちのところに頑張って帰って来たかったんだと思いました。
14歳の若さで亡くなりこれ以上の悲しみはありません。これから高校、大学、公務員になるという夢を持っていました。じいちゃんばあちゃんの朝市の手伝いもしたいと言っていました。泣いてばかりいたら翼音が心配するからこれからも家族力をあわせて頑張っていきます。」

奥能登を豪雨が襲った9月21日、翼音さんは自宅で1人でいたという。父、鷹也さんとビデオ通話で話した後連絡が取れなくなり自宅ごと川に流されたと見られている。

「翼音は家族みんな、1人1人の胸の中に生きていく。」翼音さんが帰ってきた後、家族で話し合い支え合って生きていこうと決めたと話す祖父、誠志さん。取材に対して「災害では1分1秒を争うことがある。危ないと思ったら命だけは守る行動をしてほしい。とにかく何も持たなくていいから逃げて欲しい。私たちみたいな悲しい思いをする人が少しでも少なくなればいいなと、それは強く思う」と呼びかけた。

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