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専門家も「不思議」微弱な地震すら観測されずに現れた“高さ最大約2.2mの断層” 金沢大学等が調査開始

能登半島地震の発生後、珠洲市若山町(わかやままち)に現れた長さ約7キロの断層です。その断層の正体は何なのか金沢大学などが調査を始めました。

稲垣真一アナウンサー:
珠洲市若山町の畑です。実はこちらの地面も畑の続きなんですが、こうして1m近く 上に上がってしまっています。この分が地表に現れた断層です。では、なぜこの断層が現れたのか、調査が始まりました。

今年2月の映像。崖のような断層が家や川を横切り、道路を分断するように現れているのが分かります。断層の長さは約7km。高さは最大で2.2mにもなる大規模なもので若山町では、家が傾き道路がめくれあがるような形になるなどの被害も出また。

19日から金沢大学と富山大学などの研究グループが始めた調査。初日は重機を使い、地表に現れた断層の下を3mほど掘っていきました。これまで、この断層がなぜ発生したのかは分かっていませんでした。

金沢大学(地震学)の平松良浩教授:
地震を起こしていないのに、なぜ最大2mに達するような崖が断層として現れたのかが一番不思議なところです。

地震は一般的に、岩盤に強い力がかかって断層がズレることで発生します。しかし、今回の断層周辺では微弱な地震も観測していないそうです。

金沢大学(地震学)の平松良浩教授:
1月1日の地震によって、このあたりの地表に近い部分が圧縮性の力を受けた。そうすると横方向からギュッと押されて断層がずれるという事があり得るんです

平松教授は地表付近の浅い部分が盛り上がったのではないかという仮説を立て、約2カ月かけてこの断層がどのように出来たのか調べることにしています。

金沢大学(地震学)の平松良浩教授:
このような地表に現れた断層の崖というものが、過去においても起こっているのではないか。そういう場所を事前に特定することができると、あらかじめその場所を避けることによって、建物などへの地震の影響を減らすことができますし、地震が起こった時の被害想定という意味でも、何か知見が得られればと思います。

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