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パリ五輪ブレイキンで世界を魅了…“HIRO10”こと大能寛飛選手「感謝の気持ちが涙になってこぼれた」

パリオリンピックブレイキンで世界中を沸かせたHIRO(ひろてん)10こと大能寛飛(おおの ひろと)選手。大舞台への初挑戦を終えた心境、そして多くの人の心を揺さぶったあの瞬間について話を聞きました。

パリオリンピック「来た!必殺技!」「ワンハンドエルボーエアー!これがシグネチャーです!」

パリオリンピックに出場したブレイキン日本代表、ダンサーネームHIRO10こと大能寛飛(おおの ひろと)選手。最後まで自分のスタイルを貫いたそのパフォーマンスは世界中を魅了しました。

稲垣真一アナウンサー:
「大能選手、今日はお忙しい中すいません。ありがとうございます。よろしくお願いします」
大能選手:
「よろしくお願いします。すいません日本にいないんで、リモートっていう形になっちゃいました」

この日、大能選手がいたのはロンドン。帰国後、そのままヨーロッパに向かい    大会を転戦する日々です。

大能選手:
「2日後にはスロバキアで(大会が)あって、その1週間後にはポルトガルで大会があってツアーのような感じですね」

稲垣アナ:
「すごいですね。オリンピックの余韻を噛み締める時間もないんじゃないですか」

大能選手:
「そうですね。「オリンピックが最大のゴール」っていう時期があったんでそれが終わった後、自分のモチベどうなるんだろうって思っていたんですけど、全然変わらずにブレイキン大好きなんで、そのまま大会に行き続けてるみたいな感じです」

稲垣アナ:
「改めて振り返ってパリオリンピック、あの舞台ってどんなものだったっていう風に思ってますか」
大能選手:
「今までとは規模が違うというかすごくでかくて、でもその会場がすごいちょうどよくて、でかすぎても多分みんなが結構遠いから熱が抜けていっちゃうんですけど、自分が技をするとみんなが叫んでそれがすごい自分に伝わってくる会場ですごいスペシャルでしたね他のでかい大会とかもあるんですけど、それよりも全然、本当特別な感じでした」

大能選手が予選で対戦したのは3人。このうち2人は決勝トーナメントの3位決定戦で対戦するなどハイレベルな戦いとなりました。

稲垣アナ:
「組み合わせが決まった時ってどんなような気持ちでした」
大能選手:
「マジかってなって、最初は。でもそこを気にしすぎると自分の最大の演技はできないんだろうなって思っていたんで、(対戦する)人はすごい強いのはわかってたけどいい意味であんまり気にせずにいつも通り練習していったみたいな感じです」

そして迎えた初戦。中国のLITHE-INGとの対戦でいきなり…「いきなりパワームーブ連続だ!」

大能選手:
「これはもういきなり出てやるんだって、絶対最初にパワームーブを見せたくて。ラウンドは全部取られたけど、別に何も気にしなかったし、これがずっと自分のやりたいことだったので全然後悔というか、そんなに悲しいとかそういうのはなくて」

予選敗退が決まって迎えた3戦目でも…

解説:
「ONFIRE!ONFIREしています!」

代名詞のパワームーブを全力で踊りきりました。

大能選手:
「みんなへの感謝とか、今までずっとサポートしてくれたジャパンチームのみんなとか、見に来てくれてる家族とか、応援してくれている自分は知らないようなたくさんの観客とかが目の前で応援してくれてるのを見て、すごい嬉しかったというか。悲しいとか悔しいとかそういう気持ちもあったんですけどそういう気持ちよりもやっぱり感謝の気持ちが涙になってこぼれてきてビクターに勝つとかそういうのを何も考えずにただ自分の好きなことを詰めたラウンドでした」

結果は3戦全敗。しかし試合を終えた大能選手の耳に届いたのは自分への賞賛を意味する会場からのブーイングでした。

大能選手:
「ほぼないんですよ。ブレイキンの他の大会でブーイングとか起こったことないし初めての経験でした。(大会後は)instagramのメッセージがすごくて。1000ぐらい来たのかな。1個、外国の方が多分日本語にトランスレートして送ってきてくれたやつがあって、それには「メダルは記録に残ります、でもあなたは記憶に残りました」みたいに言ってくれて、片言の日本語だったんで、多分日本語で翻訳して送ってきてくれたメッセージだったんですけど、それを見た時にすごくいいオリンピックだったなというか、メダルに囚われてたっていう部分もあったんですけどそれ以上に大切なものが見えてきたというか、その瞬間。だから自分の中では結果は満足はいかなかったけど、周りの反応とか自分が本当に見せたかったダンスとかそういう面については満足できたオリンピックでした」

その中で出たのがこの言葉…。
パリオリンピックでの大能選手:
「(オリンピックは)面白かったですおもしれぇ、人生おもしれぇっす!」

稲垣アナ:
「やっぱ面白いですか」
大能選手:
「考えられないですね、人生面白すぎて。自分の中で何が起こったのか信じられないというかオリンピックに出ていろんな人に影響与えて誰が想像したんだろうって、絶対誰も想像していないし、人生おもしれぇっす、何が起こるかわかんないです」
稲垣アナ:
「これからもっと面白くなりますよ」
大能選手:
「もう最高ですよ」

現在19歳の大能選手。次の目標は…。

大能選手:
「ブレイキンをしている中で自分のスタイルを見つけるっていうのはB-Boyにとっての大きな課題というか、僕自身もスタイルはあるんですけど、まだ完全なB-Boy Hiro10ではないというか、未完成なHiro10なんですけど
それを完成させていくことですかね。だからいろんな旅を通してとか色々な人と繋がってどんどん自分の可能性を広げていきたいと思います。もしかしたら自分が
想像していないようなスタイルになるかもしれないし、面白いっす」

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