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運転士の“配慮事項の多さも”一因か…JR七尾線で発生した列車火災 電流の切り替えミスはなぜ起きたのか

1月25日に起きたJR七尾線の列車火災。幸い乗客にけが人はいませんでしたが七尾線は7時間半にわたり運休しました。原因は運転士の操作ミスだとわかりましたが、なぜあそこまでのトラブルにつながったのでしょうか。

実は事故があった区間特有の問題がありました。1月25日土曜日の午後に発生した、JR七尾線、中津幡駅での列車火災。乗客およそ150人にけがはありませんでしたが、屋根の一部を焼き、七尾線は普通列車17本・特急列車5本の合わせて22本が運休、およそ1710人に影響がありました。

この映像は発生からおよそ8時間後、救援列車に連れられ金沢駅に入線した事故車両です。撮影した人によると、列車の屋根に着いている機械が溶けていて、焦げ臭かったそうです。JR西日本がおととい発表した事故の原因、それは…

記者:
JR七尾線では津幡駅から中津幡駅の区間に電流を切り替える区間がありますが、運転士は手動での切り替えを失念していたということです

JRが発表した事故の原因は交流と直流の切り替え操作のミスでした。そもそもなぜ電流を切り替えなければならないのでしょうか?実は北陸線の電源は交流。しかし交流の路線はコストがかかるため、七尾線などは、直流電源で走っています。そのため北陸線と七尾線の接続部分にあたる津幡駅ー中津幡駅間に交流と直流を切り替える区間があるのです。運転士が、切り替え操作をしなかったことで屋根の上の機器に大きな電気が流れ出火したと見られています。

火災が発生した津幡と中津幡の区間を撮影した映像です。うるさいくらいに交流と直流の切り替えをするようスピーカーから流れています。さらに画面にも…なのになぜ、切り替え忘れてしまったのでしょうか?

岩谷さん:
もう中津幡の駅がまじかに迫っているから次のドアはどっちだっけとかお客さんが何人止まっているんだろうとか前に踏切があるけどなにか障害物ないかなとかいろんな確認をしながらの運行なので、相当神経を使うことは否めないです

こう話すのは、小松市で列車保全などの活動を行う、鉄道に詳しい岩谷淳平さんです。岩谷さんが見せてくれたのは特急列車の運転席。

岩谷さん:
もう一つ忘れないようにということでセクションを通過する前に表示が必ずありますどこにあるかというと運転時刻表です

さまざまな注意喚起がある中で起こってしまった操作ミス。実は同様のミスは、同じ区間で2016年にも発生していました。さらに、おとなり、福井県にあるハピラインふくいでは、2024年だけで2回発生しているのです。岩谷さんは、ワンマン運行にもかかわらず運転中に配慮すべき事項が多くあることもミスの原因の一つだと指摘します。

岩谷さん:
ツーマンにしてこういう事故が未然に防げるであれば運転手の士気向上にもつながる車掌がひとり巡回しているだけでも客室衛生上は安心ですよね

JRによると、今回火事が発生した列車の運転士は「切り替えの意識が一時的に低下していた」と話しているということです。

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