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津波の脅威を後世に…能登町で大きな被害受けた白丸郵便局が『震災遺構』に 特定郵便局で局長が寄付の意向
甚大な被害をもたらした能登半島地震。こうした地震の被害や教訓を後世に伝えるため、被害のあった建物や記録などを残すのが「震災遺構」です。津波で大きな被害を受けた能登町でもこの震災遺構を残すことが決まりました。
能登町白丸の住民:
「あそこ跡があるでしょ白い壁の上の部分ぐらいまで…」
能登町白丸地区。
能登半島の内浦に位置するこの地区は、元日の能登半島地震で高さおよそ5メートルの津波に襲われました。
リポート:
「能登半島地震から10か月が経ちましたが津波の爪痕は残ったままです。こうした中、町ではこちらの郵便局を震災遺構として残すことを決めました」
木造平屋建ての白丸郵便局。津波で窓が割れ、壁にも巨大な穴が空くなど大きな被害を受けました。能登町ではこうした津波の脅威を後世に伝えるため、町で初となる「震災遺構」として活用する方針を決めました。
住民:
「なくしてもいい、残してもいいって両方やねもっとひどいところあったんやけどね、津波で。残しておけば後々いいのかな自分の家も2階だけ残って下はがらんどうになってしまってあんまり残しておきたくないなということで解体してしまって今は更地やから個人の家じゃないから残ってても別に…」
白丸郵便局は特定郵便局のため郵便局長が個人で所有していて、今後、町に寄付する意向だということです。町では寄付を受けた後ブルーシートなどで保全し、来年度以降に建物を改修。津波の高さがわかる看板などの設置も検討していて、今後、防災教育などにも役立てていきたい考えです。
この震災遺構ですが、他にも輪島市では大規模火災で生き残った朝市通りのタイサンボク。夏には地元の子どもたちに親しまれていましたが、海底隆起で姿を変えてしまった鴨ヶ浦(かもがうら)の塩水プールなどが候補に挙げられています。
また、県では隆起した海岸などについて震災遺構としてジオパークへの登録を目指す検討がされています。一方、震災遺構として残す場合の財源ですが、各自治体が行う震災遺構の仮保存に対して、県の復興基金では補助も行っています。こうした制度を活用することで今後も各自治体で震災遺構の活用が広まっていくかもしれません。